人気の習い事をイギリス・アメリカと比較。日本の特徴とは?

ZUU onlineから引用  2015.10.30


子供たちが習い事に通うのが当たり前の時代。習い事の種類は多様化しており、最近のトレンドを押さえた一風変わった教室が注目を浴びている。さらに習い事事情をアメリカやイギリスと比較してみると、日本の特徴が見えてきた。

■日本で人気の習い事

 「ケイコとマナブ.net」が2015年に行ったアンケート調査によると、日本の未就学児や小学生が通っている習い事のトップ10は次のようになっている。

1位  水泳
2位 英語・英会話
3位 ピアノ
4位 体操
5位 学習塾・幼児教室
6位 サッカー
7位 書道
8位 バレエ・ジャズなどのダンス教室
9位 空手
10位 そろばん

 1位の水泳は、アンケートが掲載され始めた2012年から不動である。子供の体力づくりのためという理由の他に、小学校での水泳の授業に備えて通っている子供も多い。

 2位英語・英会話は小学校でも英語教育が始まったことを受け、ここ数年さらに人気が伸びている。文法や英単語を学ぶ以外に、外国人の先生と歌やゲームをして英語に慣れることを目的としている教室も多い。4位の体操は、地域のコミュニティセンターや小学校、大人も通うスポーツジムなどで開催されている。子供たちは、先生の指導のもと、逆上がりや三点倒立、跳び箱や側転、ブリッジなどにチャレンジ。基礎体力が身につき、体の柔軟性も高まると注目されている。

 一方、これから子供に通わせたいと思っている習い事を見てみると、1位は英語・英会話となっており、そのほか書道やそろばんなどの日本特有の習い事も人気が高い。小学校の高学年になると、コンピューターのプログラミングが8位にランクイン。将来、仕事などで役にたつと、子供のうちからプログラミングを習わせたい親が急増している。


■最近注目のユニークな習い事

 上記で挙げた人気の習い事の他に、最近注目されている面白い習い事として子供の料理教室が挙げられる。「食育」という言葉が浸透している今、子供のうちから食文化に関心を持ち、自分で料理をして健康管理ができるようになるためにと人気が出ている。全国で展開している料理教室「ABC Cooking」 では、満4歳から小学3年生の子供向けに、料理教室を開催。料理実習の他に、出汁や食材の成分について学ぶ食育教育も行っている。

 また、オリンピックなどでの日本人の活躍により、ゴルフやフュギュアスケート、テニスなどの新しいスポーツ種目も普及してきている。これらの習い事は、使う施設の場所が限定されているため、親が時間的にも金銭的にも余裕がないと通えないだろう。


■イギリスで人気の「舞台パフォーマンス」

 海外ではどうなっているだろうか。

 イギリス在住ライターによると、英国ではここ10年ほどで「習い事熱」が高まっている。人気の習い事はスポーツ系だと水泳やテニス、サッカーなど。昔ながらの乗馬も人気だが、地理的、経済的問題が絡んでくるため、ごく一部の子供に限られる。

  学校の授業のために習わせるものとして、ダンス、歌、演劇など幅広くカバーする「舞台パフォーマンス」系が目立つそうだ。中学後半で進路決定するまでは学校の基本課目に「ドラマ」や「ダンス」が組み込まれていることや、芸能界に憧れる子供と親が増加していることが要因となっている。

 勉強系になると塾はなく、KUMONや基本科目(特に数学と英語)をフォローするクラスがある。しかし余程親が教育熱心な場合を除き、一般的には「勉強に出遅れている子供が通うもの」という位置付けとなっており、日本と少し異なるかもしれない。


■アメリカでは「子守り」も

 一方、米国在住のライターによると米国では国土の広さなどの特徴が子供の習い事に出ている。米国の場合は幼少期から「お受験」をさせる家庭は少ない上、学校に校則がない場合が多い。そのため学校のカリキュラムに関係なく習い事を選択している傾向があるという。

 例えば、自然と触れ合いながら押し花をする、塩の結晶を作るなどの科学教室がある。米国の隣国であるメキシコの公用語スペイン語を学ぶ教室もある。また習い事ではないが、中学生や高校生がベビーシッターとして近所の赤ちゃんの子守りをするアルバイトやボランティアもさかんだ。特に女子高校生などは、ベビーシッターをすることで将来のため実践的に子育てや家事のやり方を学ぶことができる。このため、この活動に賛同する米国人は多いという。

 日本の場合、五輪スポーツを除くと、受験や仕事で将来役に立つと思われることを子供のうちから習わせたいという親が多い傾向にある。昔から人気がある水泳やピアノだけでなく、子供が興味を持ち楽しく続けられるユニークな習い事を見つけてみてはいかがだろう。




世界の子どもはどんなことを習っている? 世界の習い事事情


子どもにたくさんの経験をさせてあげたいという気持ちから、小学校に入学する前からお子さんにさまざまな習い事をさせるのが一般的になっているかもしれません。日本でも英語、ピアノ、水泳など、たくさんの習い事がありますが、世界の子どもたちはどんな習い事をしているのでしょうか?

今回は、各国の子どもの習い事事情をご紹介します。

世界の子どもたちはどんな習い事をしているのでしょうか?

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韓国の子どもたちは、習い事よりお勉強!


教育熱心な親御さんが多い韓国では、バレエ、ピアノといった子どもに教養をつけさせる習い事よりも学問重視という考えから、「ハグォン」と呼ばれる塾がアフタースクールの一番人気の習い事となっています。そのため、小学校に入れば学校が終わるとすぐに塾、という子も多いそう。

なお、幼稚園児には、ピアノやテコンドーなども人気があるそうです。塾以外の習い事は、「子どもがやりたいと言えばやらせてみる」という方針のお母さんが多いようですね。

タイではKUMONが流行中


東南アジアを代表する経済大国・タイでは、子どもたちは学校が終わればのびやかに外で遊ぶイメージがありますが、都心ではやはり、学校が終わると中学、高校受験のために塾に通わせることが定着しつつあるようです。

タイでは学校の先生の副業が認められているために、学校の先生をやりながら放課後は自宅で学習塾を開く先生も多いのだとか。そして、その学習塾でも手軽に始められることから人気なのが、日本に発祥の「KUMON(くもん)」です。

都心ではあちらこちらに「KUMON」を教える教室があり、2010年にはタイ全国の生徒数が10万人を突破。この勢いはまだまだ続きそうです。


リーズナブルに習い事ができるフランス


フランスの小学校には、音楽の時間はもとより工作の時間もないため、「スポーツやアートは学校外で習い事として習うもの」という認識が強いようです。ただ、この習い事については市町村からの援助があり、誰もがリーズナブルな料金で習えるのが、フランスの素晴らしいところと言えるでしょう。

音楽、絵画、テニス、海の近くであればヨットまで、ありとあらゆる習い事がありますが、意外に人気が高いのが柔道。フランスの柔道人口は日本よりも圧倒的に多く、人気の秘密はスポーツと作法を同時に学べるからだそう。国際大会やオリンピックでフランス人が柔道でメダルを獲得する理由は、ここにあったのかもしれません。

そのほか、習い事としては、サッカーよりもラグビーのほうが人気が高いというのもおもしろいところですね。

イタリアの一番の習い事は「友達と遊ぶこと!」
学校が終わると習い事ではなくて、公園に行って友だちと遊ぶのが大切な習い事、というイタリア。フランスのように公的援助がないので、習い事が普及しないのかもしれません。

それでも週末には教室に通うこともあり、女の子にはバレエなどのダンス、男の子にはサッカーがダントツ人気です! 

国によって流行している習い事はさまざまなようですが、「親がやらせたいものよりも、子どもがやりたいと言うことをさせるのが一番」と考えるのは、どこの国にも共通した考え方なのかもしれませんね。


(2015.12.14 ウーマンエキサイトから引用)



頭のいい子はみな「直感力」を鍛えている

2015年2月5日 東洋経済



小学校低学年から高学年、そして中学生へ……。周囲に私学を受験する子も増える中で、わが子の成績や先々の進路がまったく気にならない親はいないだろう。どうすれば少しでもいい点が取れ、より上位の学校に進学できるのか。そもそも子どもにやる気を起こさせるには? 


 約25年にわたり学習塾を運営し、3000人以上の子どもを指導、成績向上に導いてきた石田勝紀氏は「心・体・頭のしつけ」をすることが重要と語ります。今連載では石田先生の元に寄せられた親たちのお悩みに答えつつ、ぐんぐん伸びる子への育て方について考えていきます。


 【ご相談】
 小6と中2の男の子を持つ母親です。近年、ロジカルシンキング、つまり論理的思考が重要であるということをよく耳にしますが、実際に子どもたちに論理的に物事を考えてもらうためには、どのようにしたらよいか悩んでいます。
 国語や数学、算数でも論理的思考をつけられると聞いていますが、どうも私が見ている様子だと、そうでもない気がします。何か特別に論理的思考をつけられる講座を受けるなど何らか取り組んだほうがよいのでしょうか。
(仮名:中村さん)

 



■ そもそも、論理的思考の重要性は? 

 まさにおっしゃっていただいたとおり、近年、論理的思考の必要性が叫ばれています。私も、そのとおりであると思います。

 論理とは物事を筋道立てて説明する、または考えることであると思いますが、学問の世界における「仮説→検証」という構造も論理の一種でしょう。現代社会も論理がなければ成立しないでしょう。
 論理的であれば、説明が体系立てられ、話がわかりやすくなります。ですからプレゼンテーションや論文などのアウトプットでは、論理的であることが重要です。
 しかし、私はここに落とし穴があるとも感じます。あまりにもこのアウトプットが重要であると喧伝されているため、視点がどうもそこだけに行きがちであるように思うのです。
 つまり、論理の勉強に気を取られすぎると、プレゼンテーションの達人にはなっても、中身がなく、斬新さがない、という残念な結果になることも少なくないと感じます。
 では、いったい何か欠けているのでしょうか。それは、「感性」だと思います。

国語では読解力が重要だと言われていますが、これは論理的に読めるかどうかということと同じ意味で使われたりします。しかし、○○と○○は同じことを言っており、●●と○●には違和感があり、〇〇と●●は同じものではないと認識するためには、まずは感性で判断しなくてはなりません。

 たとえば小説を読んで答える問題では、感性でもって、登場人物の心の状態になって読み進めていくと解答はおのずと出てくるのですが、どうしても表面的な活字に振り回され、中身よりも形を優先してしまい、間違った答えを出してしまうことが多いようです。

 論理、論理、論理……「理屈でいけばこうだよね」と論理を積み上げていって結論が出る場合もありますが、実社会では、その論理を積み上げた上の結論が間違っていることが少なくありません。

 「A=B、B=Cであるならば、A=Cである」というようには、現実にはなりません。実際は「A=Cであるようだと直感で感じ(仮説)→ なぜだろうと疑問が出て→ それはA=Bであり、B=Cであろう」ということがわかり、それを逆に組み立てると、「A=B、B=Cであるならば、A=C」となるのです。

 このときの直感で判断した仮説は感性が生み出したものであり、論理によって生み出されたものではありません。この感性抜きには、実は論理は成り立たないのです。



■ 感性はどうやって育てるか? 

 私はこれまで塾で多くの生徒を指導してきましたが、頭のよい子は、この感性が優れていました。つまり、理屈よりも感覚でとらえる力があるのです。論理だけが頭のよさを促進しているのではない、と私は断言できます。

 世間を見回してみても、論理力よりも感性が強い人のほうが、勉強も仕事もできるように感じます。理屈ばかりこねる人は仕事ができないとよく言われますが、まさにこのことを意味しています。

 さて、では子どもの感性を高めるにはどうしたらいいか。私は生徒の感性を高めるために、テキストの題材を使いながら高めていきましたが、家庭で子どもの感性を育てるためにはどうすればいいでしょうか。

 一般的に、感性を高めるためには「多様な体験をさせる」「美しいものに触れる機会を増やす」とよいと言われています。自分とは異なる境遇の人と話をしたり、普段、見慣れない景色を見たりすることで、多くの刺激を受けます。大自然に触れることは、その最たるものでしょう。

 しかし、家庭内で実施できるより効果的な方法があります。それは、ある“マジックワード“を日常生活に取り入れることです。

 現代の教育では「何? (WHAT)」「誰? (WHO)」「いつ? (WHEN)」「どこ? (WHERE)」、もしくは「どっち? (WHICH)」といった質問に答える勉強が多いのですが、教育において最も大切なことは「WHY? 」と「HOW? 」です。

 テストには「何? 」「誰? 」「いつ? 」「どこ? 」「どっち? 」が多く出題されるため、知識だけで十分と思いがちです。そう考える人は、学校の勉強なんて社会に出てからまったく役に立たないと言ったりします。

 しかし、これは誤りです。役に立たない方法で知識を頭にたたき込んでしまったから、そう思ってしまうのです。

 私が指導した生徒の中で非常に“頭のいい子”は、つねに「なぜか? (WHY)」「自分はどう思う?  どうする? (HOW)」という2つの視点が勉強の中に入っていました。意味を理解し、結果として知識がインプットされるというプロセスこそが、本物の教育です。

 「なぜ? (WHY)」は論理思考を育成し「自分はどう思う?  どうする? (HOW)」は感性を育成する“マジックワード”です。私は授業において、これらを取り入れてきました。次はその一例です。

私:(国語の授業で)「このときの主人公の気持ちは? 」

生徒:「悲しい気持ちだと思います」

私:「なぜ悲しい気持ちになる?  違う気持ちになる人もいるんじゃないの」

生徒:「この文章の中で、主人公が暗い面持ちで歩く場面があるのでそう思いました」

私:「じゃ、もし君がこの場面にいたらどういう反応する?  同じように悲しげな行動をとるかな? 」

生徒:「たぶん、そんな気持ちにはなりませんね。この主人公と僕はちょっと性格が違うかも」
 このように、「君はどう思う?  君ならどうする? (HOW)」という視点を入れるのです。


国語の授業では、通常、このような質問はしません。あくまでも文章に書いてある範囲で、物事を考えていきます。しかし、「君ならどうする? 」と言われた途端に、それまで受け身だった頭が主体的に働きだし、心が動き、自分事となって、生徒はこの文章の世界に引き込まれます。世界に入ってしまえば、答えががぜん変わってきます。

 国語ができる人は、文章の中に自然と入り込み、自分が主人公になっています。しかしほとんどの生徒は、これができません。なぜなら問題を解くため、どこに答えがあるか探すために読んでいるからです。

 本当は設問を気にせずに文章の世界に入れば、結果として設問は解けてしまうのです。そこで私は、いつも生徒を文章の世界に引き込みました。その魔法の言葉が「君はどう思う?  どうする? (HOW)」でした。

 冒頭でもお話しましたように、論理はとても重要です。しかし、高度な読解は論理と感性の相互作用で理解していきます。論理ばかりに目を向けずに、感性を高めることを優先すれば、本質的視点で物事を判断できるようになっていきます。

 話題は日常の些細なことでいいと思います。友達とのこと、学校のこと、趣味のこと、ケンカしたこと、テレビでのニュース……何でも題材になります。

 「なぜだと思う? (WHY)」「あなたはどう思う?  どうする? (HOW)」という2つの視点を、日常の子どもさんとの自然な会話に取り入れていただくと、いずれ大きな効果が出てくるはずです。